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 本ブログでは生物の種名などを記載していますが、情報は間違っている可能性があります。 素人がやっているものです。鵜呑みにしないようご注意ください。

2023年2月27日月曜日

東北大学青葉山キャンパスの地衣類

 2023.2.18

ケヤキの街路樹の樹幹に着く大型地衣類たち

ハクテンゴケ


ハクテンゴケ


 トゲウメノキゴケ

 

マツゲゴケ

 

キウメノキゴケ


 

 キウメノキゴケ



 

 マツゲゴケ

 

ウメノキゴケ

 

 

 マツゲゴケ


 

 シラチャウメノキゴケ(?)



 

 

 マツゲゴケ



コフキメダルチイ



ケヤキの街路樹の樹幹に着く固着地衣類たち 

種不明




 


チャシブゴケ属

種不明


 

種不明


石垣上の地衣類

チヂレウラジロゲジゲジゴケ(?)




ハクテンゴケ


クロムカデゴケ(?)



 

2022年12月3日土曜日

Optional Lichen, Stictis, に関する論文のメモ

大雑把なまとめ(誤訳、間違いの可能性あり)

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“Saprotrophy and lichenization as options for the same fungal species on different substrata: environmental plasticity and fungal lifestyles in the Stictis–Conotrema complex”

Mats Wedin, Heidi Döring and Gunnar Gilenstam

New Phytologist (2004) 164: 459–465

 

環境、条件によって、同種の菌類がsaprophyticであったりlichenizeであったりする。

 

次の2属(各々3種)の菌類の分子系統解析を行った。

Conotrema : 地衣

1 2: from field, ポプラの樹皮上から採取

C. populorum: from herbarium

Stictis : 腐生 (非地衣)

1 2: from field, ポプラの枝の(樹皮の剥がれた)木質部分から採取

3: from herbarium,

 

nITS-LSU rDNA, mtSSU rDNA, GPD, EF-1a の4種類の遺伝子による系統解析を行った。

4つの解析は全て一致して資料を以下の3つのグループに分ける。

Conotrema の種 1  Sticti の種 1

Conotrema の種 2  Sticti の種 2

Conotrema populorum  Sticti の種 3

 

故に、Conotrema Sticti は実は同属であり、C.の種1 S.の種1, C.の種2S.の種2, C. populorum S.の種 3, はそれぞれ同種である。

 

環境によって、同種の菌が腐生になったり、地衣化したりする。(optional lichenization)

 

これら3種以外にStictidaceaeには少なくとも2種の optional lichenization の例があると思われる。

Stictidaceae科では近縁の種で異なる栄養性を持つものがあり、このような生き方はこの科では一般的なのかもしれない。

 

nITS-LSU rDNA: internal transcribed spacers and the adjacent 5’ part of the large subunit of the nuclear ribosomal RNA gene cluster 

mtSSU rDNA: mitochondrial small subunit ribosomal RNA gene

GPD: glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase gene

EF-1a: eukaryotic translation elongation factor 1-alpha gene 


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"To be or not to be a lichen"

David Hawksworth

NATURE|VOL 433 | 3 FEBRUARY 2005 | p468

上の論文の紹介

 

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“The Evolution of Life Modes in Stictidaceae, with Three Novel Taxa”

Thiyagaraja, V., et.al.,

J. Fungi 2021, 7, 105.  https://doi.org/10.3390/jof7020105

 

特にStictidaceae科 に着目した、Lichenized, non-lichenized, optional lichenized を含む系統、Ostropalesとその周辺(広義のOstropales)の分子系統解析。

 

2種からなる新たな1属と既存の属に含まれる1種を提案。

 

Stictidaceaeの進化の過程で栄養方式の切り替わり(地衣化, 非地衣化)が何度も起こっており、lifestyle の変化がこの科の進化に重要な役割を持つことを示唆する。

 

Stictidaceae の種の多くは腐生菌だが、一部は地衣または地衣生菌(lichenicolous)で、いくつかの種は選択的な地衣化(optional lichenization)を示す。

Stictis属は 地衣化、腐生、optional lichenization の種からなる単系統

Schizoxylon 属は腐生菌とoptional lichenizationの菌からなる

Cryptodiscus属には腐生菌、地衣化菌、地衣生菌がある。

 

地衣生菌という生き方はStictidaceaeの中で独立に何度も現れている。非地衣化(delichenization)には腐生菌化と地衣生菌となるものがある。

 

再地衣化(relichenization)は稀で、結果としてゆるい地衣共生(loosely associated lichenized)をもたらすと言われる。その観点から、optional lichenStictis mollis Schizoxylon albescens が非地衣の祖先から進化したという本研究の結果は興味深い。

 

Graphidaceaeのほとんどは地衣化しているが、地衣化菌を祖先に持ち非地衣化したとみられる種がある(Furcaspora eucalypti, Rubikia evansii

 

広義のOstropalesではLifestileの切り替えが異常に頻繁に起きており、このグループの進化の柔軟性を示す。

 

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