大雑把なまとめ(誤訳、間違いの可能性あり)
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“Saprotrophy and lichenization as options for the same fungal species on different substrata: environmental plasticity and fungal lifestyles in the Stictis–Conotrema complex”
Mats Wedin, Heidi Döring and Gunnar Gilenstam
New Phytologist (2004) 164: 459–465
環境、条件によって、同種の菌類がsaprophyticであったりlichenizeであったりする。
次の2属(各々3種)の菌類の分子系統解析を行った。
Conotrema 属: 地衣
種 1 と 2: from field, ポプラの樹皮上から採取
C. populorum: from herbarium
Stictis 属: 腐生 (非地衣)
種 1 と 2: from field, ポプラの枝の(樹皮の剥がれた)木質部分から採取
種 3: from herbarium,
nITS-LSU rDNA, mtSSU rDNA, GPD, EF-1a の4種類の遺伝子による系統解析を行った。
4つの解析は全て一致して資料を以下の3つのグループに分ける。
Conotrema の種 1 と Sticti の種 1
Conotrema の種 2 と Sticti の種 2
Conotrema populorum と Sticti の種 3
故に、Conotrema と Sticti は実は同属であり、C.の種1と S.の種1, C.の種2とS.の種2, C. populorum とS.の種 3, はそれぞれ同種である。
環境によって、同種の菌が腐生になったり、地衣化したりする。(optional lichenization)
これら3種以外にStictidaceaeには少なくとも2種の optional lichenization の例があると思われる。
Stictidaceae科では近縁の種で異なる栄養性を持つものがあり、このような生き方はこの科では一般的なのかもしれない。
nITS-LSU rDNA: internal transcribed spacers and the adjacent 5’ part of the large subunit of the nuclear ribosomal RNA gene cluster
mtSSU rDNA: mitochondrial small subunit ribosomal RNA gene
GPD: glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase
gene
EF-1a: eukaryotic translation elongation factor 1-alpha gene
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"To be or not to be a lichen"
David Hawksworth
NATURE|VOL 433 | 3 FEBRUARY 2005 | p468
上の論文の紹介
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“The Evolution of Life Modes in Stictidaceae, with Three Novel Taxa”
Thiyagaraja, V., et.al.,
J. Fungi 2021, 7, 105. https://doi.org/10.3390/jof7020105
特にStictidaceae科 に着目した、Lichenized, non-lichenized, optional lichenized を含む系統、Ostropalesとその周辺(広義のOstropales)の分子系統解析。
2種からなる新たな1属と既存の属に含まれる1種を提案。
Stictidaceaeの進化の過程で栄養方式の切り替わり(地衣化, 非地衣化)が何度も起こっており、lifestyle の変化がこの科の進化に重要な役割を持つことを示唆する。
Stictidaceae の種の多くは腐生菌だが、一部は地衣または地衣生菌(lichenicolous)で、いくつかの種は選択的な地衣化(optional lichenization)を示す。
Stictis属は 地衣化、腐生、optional lichenization の種からなる単系統
Schizoxylon 属は腐生菌とoptional lichenizationの菌からなる
Cryptodiscus属には腐生菌、地衣化菌、地衣生菌がある。
地衣生菌という生き方はStictidaceaeの中で独立に何度も現れている。非地衣化(delichenization)には腐生菌化と地衣生菌となるものがある。
再地衣化(relichenization)は稀で、結果としてゆるい地衣共生(loosely associated lichenized)をもたらすと言われる。その観点から、optional lichenのStictis mollis と Schizoxylon albescens が非地衣の祖先から進化したという本研究の結果は興味深い。
Graphidaceaeのほとんどは地衣化しているが、地衣化菌を祖先に持ち非地衣化したとみられる種がある(Furcaspora eucalypti, Rubikia evansii)
広義のOstropalesではLifestileの切り替えが異常に頻繁に起きており、このグループの進化の柔軟性を示す。
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