地衣類研究会の会報「ライケン」最新号の、
近芳明:地衣類における抗菌作用をウスニン酸と納豆菌を用いた簡便な実験で確かめる (Yoshiaki KON: An experiment for antibacterial effect of usnic acid against Bacillus subtilis var. natto)
https://lichenjapan.jp/?page_id=19
の実験を(実験設備の無い)家でやってみました。
- ウスニン酸試薬の代わりに、近所で採集してきたキウメノキゴケからアセトンで抽出したもの(成分は未確認)を使用。
- 納豆菌は市販の納豆から。
- 寒天培地は自作。
用意したもの
寒天培地の製作
https://www.mirai-kougaku.jp/laboratory/pages/210305.php
を参考にした。(他にも寒天培地で納豆菌を培養する実験は、web上で様々紹介されているようです。)
試作一回目は柔らかすぎたり、水滴が表面に付いたりして失敗。寒天の量を増やした。
ガラス耐熱容器(9cmx9cmx4cmぐらい)に、粉寒天 約3g, グラニュー糖 約1g, チキンコンソメ顆粒 約1g, 水 約80ccを入れてよく混ぜ、ラップをかけ、電子レンジで何回かに分けて途中で撹拌しながら加熱。(強く沸騰させると吹きこぼれる)
よく混ぜてから、キッチンタオルをかぶせて(すぐ蓋をすると水滴が落ちてしまうので)冷まし、結露しない程度に冷めてから蓋をする。
表面に皺が寄ったり、透明感が少ないようにも思えたが、このまま続行。
納豆菌を培地に塗る
市販の納豆と水をよく混ぜ(つぶさなくてもいいようです)キムワイプ(たぶんキッチンペーパーなどでもよさそう)に浸みこませて、寒天培地の表面に塗る。
地衣成分抽出
コーヒーの紙フィルターを適当な大きさに切っておく。地衣成分「有」と「無」のために2枚。
地衣成分有の紙: 近所で採集し、水洗いして乾かしておいたキウメノキゴケをガラスの上に置き、アセトンを数滴かける。切った紙フィルターにアセトンをなるべくたくさん吸収させる。地衣体を取り除いて乾燥させる。
2枚の紙を寒天培地の適当な位置に張り付ける。
(写真の左下:地衣成分無 右上:地衣成分有)培養
培地の容器を水を入れて40~50度に温めたペットボトルといっしょに保温(保冷)バッグに入れて毛布でくるむ。半日ごとに水を温めなおした。